句碑散歩(1)

 今回は、東京の荒川区にある一茶の句碑を訪ねました。 
 最初に訪ねたのは、JR山手線日暮里駅西口から出て、
御殿坂を登った高台にある「本行寺」です。
 この寺は、景勝地でもあったことから「月見寺」とも呼ばれ
江戸の文人たちが集まったことでも知られています。
 
 当時の住職「一瓢」は、多くの俳人との交流があり、
一茶もしばしば、この寺を訪れています。

 先日の雪が残る境内に、一茶の句碑はありました。

   
   陽炎や道灌どのの物見塚    一茶   (『七番日記』)


    

文政7年には、本行寺で宿泊し、次の句を詠んでいます。

   刀禰の帆が寝ても見ゆるぞ青田原   一茶   (『文政句帖』)

 また紀行文『花見の記』にも、本行寺のことを書いています。

  『 本行寺道くわん物見塚
      凡に三百年の菫かな
      春雨の晴所也君が松
      さく花や昔々はどの位
 』

  (注)『花見の記』は、文化5年春、上野から浅草界隈を散策した一茶の自筆の紀行文。

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 「浄善寺」は、京成本線新三河島駅から歩いて5分ほどの
ビルとビルの谷間にありました。
 門は施錠されており、参詣は出来ませんでした。

 近所の人に訪ねると、今は住んでいないとか・・・・

    

 門の外から石碑を撮影させてもらいました。
文字は読めませんでしたが、この石碑だろうと思います。

  いたれりや佛の方より花衣    一茶   

    

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 本行寺で詠んだ句かどうか、不明ですが、この句も紹介されています。


   青い田の露をさかなやひとり酒    一茶   (『文政句帖』)



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