真赭

 芒の穂は、どんな色をしているのだろう。

  穂が出たばかりの時、花盛りの時、綿毛となった時、それぞれ違って色に見えます。
 また光の具合によっても、いろいろな色に見えたりします。
 一般的は、黄金色、金色、銀色、白色、鼠色などと表現するのではないでしょうか。


 穂が出始めの頃は、こんな色をしています。

 俳句では「真赭(まそほ)の芒」という表現をします。
「赭(そほ)」とは、赤土のような黄味を帯びた少し暗い赤色のことです。
「真」は混じりけがないという意味で「真」の字が当てられています。
「赭」は、音読みでは「シャ」、訓読みでは「赤つち」と読みます。

    

     「真赭の糸」と呼ばれたりします。

  陶器では、芒状の細長い斑紋を芒目(禾目)と呼びます。



  




   土になれ土になれとやかれ尾花   一茶    (『七番日記』)




    
      土塊A


     「原初の赤」は、土の中にあったと言われています。
    工房の近くの地面から掘り出し、そのままの形で素焼きしました。
    鉄分(赤つち)が少し含まれていました。