ヒヨドリ

 今日は「大寒」です。気温は一桁。夕方には冷たい北風に変わりました。

 散歩していても、日陰を避けて日差しのある所を選んで歩いていました。

 黒須田川は、暖かい色のない寒々とした冬の景色です。

f:id:kanamankun:20220120163403j:plain

 この「にしき橋」はカワセミが良く来る場所です。左側の道路の傍の枯れ木の中にカワセミがいます。枯れ草の中に埋もれてよく見えません。

 カワセミは、冬は木々の葉がなくなるので、天敵から身を護るために木陰に隠れることが多いです。

f:id:kanamankun:20220120163517j:plain

 川の沿道のサザンカの花も散り始めています。最後の蜜を求めてメジロがやって来ました。

f:id:kanamankun:20220120165814j:plain

 ネズミモチの木には、まだ紫色の実がたくさん残っていました。

f:id:kanamankun:20220120225053j:plain

 そこにヒヨドリが数羽飛来。

f:id:kanamankun:20220120163725j:plain

 葉が揺れ、枝が撓み騒がしくなりました。

f:id:kanamankun:20220120163802j:plain

 「赤い実がひよを上戸にしたりけり」という一茶の句がありますが、鳥は赤い実が好きのようです。ネズミモチの紫色の実を食べるのだろうか。

 鳥の色覚は人にない近紫外線を持っているようですが、この紫色はどう見えているのだろうか。

 このネズミモチの実は、どんな味がするのだろうか。ヒヨドリの好きな甘い実であれば・・

f:id:kanamankun:20220120163843j:plain

 「ヒヨドリ」という名は、「ヒヨヒヨ」と鳴くからヒヨドリと呼ばれたという説があるそうです。

f:id:kanamankun:20220120163923j:plain

f:id:kanamankun:20220120163957j:plain

 この鳥は一年中、身近で見られる鳥です。しかし日本から東南アジア周辺にしか棲息していないので、日本を訪れる海外のバードウォッチャーにとっては観察したい野鳥のひとつだそうです。

f:id:kanamankun:20220120163317j:plain

 基本は留鳥ですが、寒い地方のヒヨドリは渡りをします。

f:id:kanamankun:20220120164112j:plain

 平安時代末期、摂津一の谷の戦で源義経が平家の軍勢を追い落とした深い山あいを「ひよどり越え」と言います。それはこの場所がヒヨドリの渡りの場所となっていたことからだそうです。

f:id:kanamankun:20220120164216j:plain

 ネズミモチの実は、小さいですが葡萄のようです。

f:id:kanamankun:20220120225546j:plain

 黒葡萄天の甘露をうらやまず

        一茶『文政句帖』

     *

     *

カワセミ春夏秋冬(4)

 今日、散歩の途中、暖かい日差しの中で、ジョウビタキ(男)とカワセミ夫婦が・・ひなたぼっこ!?しているのに出遭いました。

f:id:kanamankun:20220115132359j:plain

 そこにコサギが仲間入り。

f:id:kanamankun:20220115132508j:plain

f:id:kanamankun:20220115132600j:plainf:id:kanamankun:20220115132627j:plainf:id:kanamankun:20220115132718j:plain

 こんな風景に出遭うのも珍しいです。

    *

 今回は、黒須田川を離れて、近くの柿生の里の池のカワセミを紹介します。

 この里の隣りにある早野聖地公園には、2つの池(上池と五郎池)があります。

 この池のカワセミを撮影したのは、2020年4月15日・午後2時頃です。

【五郎池のカワセミ

 二羽が元気に飛び回っている様子を狙ったのですが、小さくて撮るのが難しかったです。

f:id:kanamankun:20220115140538j:plain

 いい所に枯れ木がありました。

f:id:kanamankun:20220115140803j:plain

 紅葉の若葉が美しい。

f:id:kanamankun:20220115140100j:plain

f:id:kanamankun:20220115140642j:plain

f:id:kanamankun:20220115140954j:plain

f:id:kanamankun:20220115141038j:plain

【上池のカワセミ

f:id:kanamankun:20220115141208j:plain

f:id:kanamankun:20220115170002j:plain

f:id:kanamankun:20220115141739j:plain

f:id:kanamankun:20220115141528j:plain

f:id:kanamankun:20220115141434j:plain

 餌を獲っているのではなく、水浴びのようです。

f:id:kanamankun:20220115141706j:plain

f:id:kanamankun:20220115141316j:plain

     *

     *

エナガ

 黒須田川のブロック壁の隙間から自生した「芙蓉の木」には、まだ散らずに種子が残っています。

f:id:kanamankun:20220112132016j:plain

芙蓉の種子

f:id:kanamankun:20220112133012j:plain

 散歩中に、この芙蓉の木に鳥が群れを成して飛んで来るのに出遭いました。鳥たちは枝に止まるなり、枝から枝へ目まぐるしく動いて種を食べ始めました。

f:id:kanamankun:20220112132052j:plain

f:id:kanamankun:20220112132123j:plain

f:id:kanamankun:20220112132230j:plain

f:id:kanamankun:20220112132652j:plain

 最初はシジュウカラかと思っていましたが・・

 黒須田川では、初めて見る小鳥でした。

f:id:kanamankun:20220112132312j:plain

 よく見ると、ぬいぐるみのように可愛い小鳥です。

f:id:kanamankun:20220112092322j:plain

 「エナガ」でした。

f:id:kanamankun:20220112092640j:plain

 「エナガ」は、尾が長く、長い柄杓に似ていることから「柄長」という名が付きました。江戸時代には「柄長柄杓(えながひしゃく)」と呼ばれていたそうです。

f:id:kanamankun:20220112133531j:plain

 エナガは、日本で最も小さい鳥の1つで、嘴も7mmほどです。

f:id:kanamankun:20220112162354j:plain

 主に小昆虫や昆虫の卵などを食べますが、茎の皮をはがして、その中の虫を食べたり樹液を吸ったりします。

f:id:kanamankun:20220112161713j:plain

 エナガは、精巧な巣を来るので「巧婦鳥(たくみどり)」という異名があるそうです。

f:id:kanamankun:20220112092738j:plain

f:id:kanamankun:20220112161753j:plain

     *
 鳥の巣の鬼門に日枝をもちにけり

       一茶『文政句帖』

     *

     *

七福神詣

 先日、「とね七福神」詣りに行って来ました。

 七つの寺社のうち4つは、2018年2月「句碑散歩(2)」で訪ねています。今回は残りの3つの寺社を加えて七福神を訪ねました。

f:id:kanamankun:20220109093511j:plain

 朝10時にJR成田線布佐駅に到着。

 この「布佐」について、芭蕉は『鹿島紀行』の中で、布佐の漁師の家に宿泊しようとしたが独特な魚の匂いのために泊まらなかったと書いています。

 この布佐の対岸が布川になります。布川は、一茶の房総の旅の起点でもあります。そして布川の俳人月船とは、交流が深く度々訪れています。

    *

 布佐駅から栄橋に向かって歩き、利根川を渡ると布川地区になります。

f:id:kanamankun:20220109093557j:plain

 この日は冬晴れで暖かく、栄橋からの筑波山は、すっきりと見えました。

 栄橋を渡った左側のこんもりとしたところが、琴平神社と徳満寺です。

f:id:kanamankun:20220109100359j:plain

 この寺社には、一茶の句碑が2基あります。詳しくは【句碑散歩(2)】参照。

 徳満寺の境内には、小さな七福神(石像)が並んでいます。ここだけでもお参りは出来ます。

f:id:kanamankun:20220109094250j:plain

毘沙門天(徳満寺)

f:id:kanamankun:20220109094328j:plain

 徳満寺の石段の途中に、こんな文字が掲げられてありました。f:id:kanamankun:20220109131107j:plain

「月船と野廻り徳満寺夕饂飩」

 この言葉は、一茶が『七番日記』の中で、文化14年3月26日、徳満寺を訪れ夕食に饂飩を食べたことを記しています。

     *

 数分歩くと「来見寺」「布川神社」です。

弁財天(来見寺)

f:id:kanamankun:20220109095933j:plain

恵比寿(布川神社)

f:id:kanamankun:20220109095701j:plain

 その傍に干支の「寅」の瓦がありました。

f:id:kanamankun:20220109095732j:plain

     *

 右手に田畑が広がる県道11号を歩いて、一茶と交流が深かった月船の菩提寺である「応順寺」に向かいました。

f:id:kanamankun:20220109100327j:plain

 交通量も減り、歩いている人はほとんどいません。長閑な冬の日差しを浴びながら・・いろいろな鳥の鳴き声が聞こえてきます。一茶も月船を訪ねて、この道を歩いたのだろうと想像しながら・・。記録によると月船亭に宿泊したのは40数回あります。 

f:id:kanamankun:20220109133536j:plain

 当時、この周辺は広々とした原野であったのでしょう。今でも田畑や野原が残っています。多くの生き物たちが飛んだり鳴いたりしていたのでしょう。

 ほとんど木々は見当たりません。鵙が・・電線が止まり木です。

f:id:kanamankun:20220109100450j:plain

 アスファルトの道路を駆けるハクセキレイ・・

f:id:kanamankun:20220109100433j:plain

 応順寺の周辺には、まだ田畑が残されています。

f:id:kanamankun:20220109133454j:plain

寿老人(応順寺)

f:id:kanamankun:20220109100724j:plain

 「月船碑」には、次のような月船の句が刻まれています。

 咲梅のうしろに不二の御顔哉

 寺の周りは開かれており、富士山が見えたのかも!?

f:id:kanamankun:20220109131202j:plain

 一茶の句に「鳥の音に咲うともせず梅の花嘉永版』がありますが、境内の梅は、ほころび始めていました。

f:id:kanamankun:20220109100648j:plain

 これから訪ねる3つの寺社は、新利根川を越えたところにあります。まず田畑の中に作られた一直線の広い道路を歩いて「f:id:kanamankun:20220109175048j:plain」向かいました。田圃に残った稲穂を食べに、電柱には多く雀が集まって来ています。

f:id:kanamankun:20220109101307j:plain

 また鵙に出遭いました。

f:id:kanamankun:20220109132153j:plain

 ツグミにも・・

f:id:kanamankun:20220109132216j:plain

 新利根川を渡るとf:id:kanamankun:20220109175048j:plain(門の宮)です。 

 このf:id:kanamankun:20220109175048j:plainは読めませんでした。「こうもう」または「みつち」とも読みます。

「蛟」とは、諸説あるようですが、水に関係する龍のことです。

 この神社の始まりは、約2300年(紀元前288年)で「水の神様」が祀られています。水神を祀る神社としては関東最古だそうです。 

f:id:kanamankun:20220109101436j:plain

 鳥居の奥に風格のある堅牢な本堂がありました。「前垂れ」の注連縄が一層に荘厳さを感じさせます。この「門の宮」は、文間地区にあり『利根川図誌』では「文間明神社」の名で書かれています。

 この「門の宮」の赤い鳥居は、2016年大ヒットした映画「君の名は」のモデルになったことを知りました。

f:id:kanamankun:20220109101501j:plain

大黒天f:id:kanamankun:20220109175048j:plain

f:id:kanamankun:20220109141252j:plain

 豊田南用水道路と並行した家並みの細い道を20分ほど歩くと円明寺

 円明寺の創建は、建長7年(1255年)で浄土宗のお寺です。

f:id:kanamankun:20220109101944j:plain

布袋尊円明寺

f:id:kanamankun:20220109102006j:plain

 早尾天神社までは、新利根川に並行した人家の中の道を歩きました。

f:id:kanamankun:20220111144422j:plain

 この天神社には、学問の神として菅原道真が祀ってあります。

f:id:kanamankun:20220109102115j:plain

福禄寿(早尾天神社)

f:id:kanamankun:20220109102138j:plain

 境内には、早くも紅梅が咲いていました。

 梅花やあけべべきよと鳥の鳴

        一茶『七番日記』

f:id:kanamankun:20220109102217j:plain

 早尾天神社から布佐駅までは4kmほどの距離があり1時間ほどかかりました。

 当時、一茶が歩いた時はもっと荒涼とした野原ではなかったでしょうか。今は綺麗に整備され歩きやすい道でした。歩いた距離は約12km。約4時間半ほどかかって布佐駅に帰って来ました。

 毎年、福詣りをしており、今年で18回目になります。今回も天候に恵まれ、ゆっくりと歩きながら、当時の歴史の名残りや佇まいを感じて福詣りをしました。

      *

      *

初雪

 昨日は、横浜では8cmほどの初雪が降りました。

 今朝は、その雪も朝日を浴びて溶け始めています。

f:id:kanamankun:20220107102611j:plain

f:id:kanamankun:20220107102708j:plain

         *

 昨日は、午前の散歩中にチラチラ降り始め、午後には本降りになりました。

f:id:kanamankun:20220107102800j:plain

 一茶の『文政句帖』の中に「雪の日や堂にぎっしり鳩雀」「はつ雪やきげんのよい御烏」という句があります。

 初雪が降る黒須田川のカワセミは、どうしているのだろうか。

 見つけました。雪を避けてか木の葉の下にいました。

f:id:kanamankun:20220107102836j:plain

 しかし、よく見るとその下にはカルガモが餌を漁っています。

 水中の魚の動きが鈍い冬は、カルガモの傍で水中の動きを見つめるカワセミを度々見ます。

f:id:kanamankun:20220107102913j:plain

 だんだん降り方が強くなると橋の下に逃げたようです。

 いつもの橋の下にいました。

f:id:kanamankun:20220107103006j:plain

 もう一羽は堰で見つけました。餌を漁ろうとしていますが、捕獲は難しいようです。

f:id:kanamankun:20220107103157j:plain

f:id:kanamankun:20220107103422j:plain

 午後になると木々には3cm以上の雪が積もり始めました。

f:id:kanamankun:20220107103335j:plain

 勢いよく川面に向かって飛び込みました。

f:id:kanamankun:20220107125938j:plain

 捕獲できたかどうか・・

 降る雪の中に消えて行きました。

 その後はカワセミ夫婦を見かけなくなりました。塒に帰ったのだろう。

f:id:kanamankun:20220107103557j:plain

 次第に温度は下がり、雪の量は多くなり暗くなるまで降り続きました。

f:id:kanamankun:20220107130043j:plain

 

 はつ雪のひつつき安い皺手哉

         一茶『七段日記』

     *

     *

壬寅元旦

 

  明けまして

    おめでとうございます。

 

f:id:kanamankun:20220101162102j:plain

 風もなく暖かく、穏やかな元旦です。

 黒須田川の遊歩道を歩くと、散歩する人は少なく鳥の囀りだけが、いつもより賑やかです。

 カワウアオサギチュウサギが、一緒に餌を漁っている光景を見たのは初めてです。

f:id:kanamankun:20220101162153j:plain

 そこにムクドリも数羽が飛来。喧しいというより一段と囀りが大きくなりました。

f:id:kanamankun:20220101162235j:plain

 じっと動かず餌を狙うアオサギチュウサギの、この微妙な距離!?

f:id:kanamankun:20220101162259j:plain

 残った木の実を啄むヒヨドリメジロ

 尾を振りながら川岸の虫を獲るキセキレイハクセキレイ

 木の枝の虫を獲るシジュウカラ

 動きが速く撮れたのは、切り株に止まったジョウビタキだけです。

f:id:kanamankun:20220101162321j:plain

 今年も多くの鳥たちや生き物が、この黒須田川にやって来ます。

 住みやすい自然環境を大切にしていきたいものです。

     *

 足元に鳥が立也春も立

       一茶『七番日記』

f:id:kanamankun:20220106220922j:plain

f:id:kanamankun:20220101162400j:plain

 朝日を浴びて清めかな。その後はこんなポーズで翅を整えます。

f:id:kanamankun:20220101162425j:plain

 カワセミ夫婦は、いつもの橋の下の定席で・・

 新しい年を迎えたようです。

f:id:kanamankun:20220101162440j:plain

     *

     *

年の暮

 「デルタ」から「オミクロン」と・・

 今年も新型コロナ禍で1年が過ぎてしまいました。

 寒波が押し寄せ冷たい風が吹いていますが、穏やかな年の暮れです。

 今日、毎年詣でている琴平神社に幸先詣をしてきました。

f:id:kanamankun:20211231131901j:plain

 新しい注連縄が張られ、新しい年を迎える準備は終わっていました。

f:id:kanamankun:20211231131958j:plain

 家族連れのお参りが、ちらほら見かけました。

f:id:kanamankun:20211231131930j:plain

 境内の白梅の蕾にふくらみが・・

f:id:kanamankun:20211231132248j:plain

     *

 今年は外出を自粛したために、工房での作業はほとんど出来ませんでした。行っても草取りと落ち葉の清掃に追われました。来年は、新しい作品が創れればいいのですが・・

f:id:kanamankun:20211231132025j:plain

 今年も入り口には、市販の花形に作られた「麻(麻苧)」を飾り付けました。

f:id:kanamankun:20211231131715j:plain

      *

 この白い橋は、黒須田川に架かっている「にしき橋」です。

 この橋の下や付近には、いつもカワセミが来て餌を漁ったり、水浴びをしています。

f:id:kanamankun:20211231132112j:plain

 こんな場所にも止まったりします。

f:id:kanamankun:20211231165556j:plain

 今日も寒風の中、カワセミ夫婦は並んで年の暮れを迎えていました。

f:id:kanamankun:20211231132131j:plain

     *

 うつくしや年暮れきりし夜の空

          一茶『文政句帖』

f:id:kanamankun:20211231132156j:plain

 新しい年が穏やかな年で

    ありますように・・

     *

     *