風所の一本桜咲きにけり
一茶『文化五六句記』
黒須田川の中にある一本の桜(彼岸桜)が、今満開です。
この孤高な桜、大水にも、台風にも耐えて、美しい花を咲かせました。
石垣を背にして川底に、どっかりと根を張り生きている姿、その武骨さに魅かれます。
石垣の武ばったなりに桜哉
一茶『文化句帖』
(注)前書きに「七面社大クボ天神宮」と書かれています。詠まれた桜は、谷中の七面社の桜の木と思われます。
鳥とともに人間くぐる桜哉
一茶『花供養』
鳥たちは、この木の下を自由にくぐれますが、人は、くぐることはできません。しかし遊歩道から眺める桜は、また違った風情があります。
この木は、鳥たちの止まり木となっていますが、花や木々の影には小魚が集まるので、鳥たちのよい餌場ともなっています。
「カワセミ」は、いつもこの場所に来て、美味しい小魚を漁ります。
一人ぼっちな「武ばった桜」ですが、遊歩道を行き交う人たちを和ませてくれています。
そして「カワセミ」と一緒に・・・
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刷毛目紅志野茶碗
口径:13.4cm・高さ:8.7cm
高台径: 4.8cm・重さ:290g
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