草花(9)

   

 この白い花は「小繁縷(コハコベ)」といい、春の七草のひとつです。
また「ハコベラ」とも呼ばれます。
 道端や畑に生えており、花の直径は約6mm、萼の長さは約4mmという小さい花です。
 「ハコベ」は、日本では約18種あるそうです。
通常「ハコベ」と言う時は、この「コハコベ」を指すようです。

   

 これから暖かくなると、工房の庭や建物の周囲に、
雑草(野草)が目立つようになります。
 ハコベのように観賞したり、食用、鳥の餌や薬用になると思うと
駆除するのに戸惑いますが、場所によっては、邪魔になってしまうことがあります。

 一般に「雑草」と「野草」とは、どう区別しているのだろうか。

 ほとんど人は、同じ種類の草でも、その人の主観や価値観によって「愛でたり(野草)」
「邪魔(雑草)」になったりしているのではないでしょうか。  
 いろいろ調べてみても、両者の区別は明確に定義されていないようです。

 しかし、この邪魔で嫌われる「雑草」も、大変役に立っているのです。
 『きらわれものの草の話〜雑草と人間〜』松中昭一著(岩波ジュニア新書)によると
「雑草の利用」として、次のようなことが書かれています。
  ・家畜の飼料としての雑草
  ・肥料としての利用
  ・生薬としての利用
  ・食糧としての利用
  ・実験植物としての雑草
  ・バイオマスとしての利用
  ・繊維の利用
  ・バイオフィルターとしての利用など

 畑地の雑草は、53科302種(ニッポニカの解説より)あるそうです。
いろいろな分野で活用されているのです。

 雑草の見方が少し変わったように思います。




   草の葉や彼岸団子にむしらるる   一茶    (『文化句帖』)


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  草花文茶碗

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