酒を嗜むにはいろいろの種類の器があります。私はウイスキーロック用に小ぶりの茶盌を使っています。玉造りで薄く仕上げ、高台は「の」の字にして付けました。手の中にすっぽりと収まる大きさです。古代呉須と鬼板で馴染みのある十草文にしました。藍色と鉄色(錆色)は、やきものの歴史の中で、最初に絵付けに使った色です。酸化焼成したのですが、やや蒼く仕上がりました。
氷が解ける時にグラスに触れるあの響き・・・・この茶盌では、グラスよりやや鈍く低い響きですが癒されます。時には、薄いので手で温めてブランデーでも・・・・
侘しさの芙蓉は酔へり茶碗酒 ( 尾崎紅葉 )
夕月やうにかせがせて茶碗酒 ( 小林一茶 )