茶盌の名前が付いた花があります。蓮です。蓮の花の形は茶盌の形によく似ていますので、その形から名づけられたと思いましたが、「茶碗の中でも育てられるほど小さい花」という意味で名づけられたようです。その蓮の名は「八重茶碗蓮」です。実際は茶盌の中で育てられるほど小さくはありません。しかし最もポピュラーな花で、古くから家庭でも栽培されており、淡紅色の美しい花が咲きます。
由来はどうであれ、仏教では神聖な花とされる花に、茶盌の名が付けられたのは嬉しいことです。私の茶盌蓮、いや蓮茶盌は、蓮の花のような滑らかな手触りではなく、土肌を感じる焼締めで作ってみました。
私が茨城の工房に行く時には、石岡市の蓮田の傍をよく通ります。そして2007年4月に廃線(鹿島線)になった駅舎の風景が思い出されます。
田の中に蓮咲けり家二つ三つ ( 正岡子規 )