蝉嵐

 先日、気象庁が7月の天気をまとめて発表しました。
東日本では、1946年以来、月平均気温が最高となったようです。
 埼玉県熊谷市では、国内の観測史上最高を更新する41.1℃、
台風12号は、異例のコースを辿るなど、
 今年の夏は異常気象となっています。 

 公園を散歩していても、蝉の抜け殻が多いように思われます。
そのせいか蝉の鳴き声が一段と大きく聞こえ、暑さも更に暑く感じます。 
 今年は蝉の異常発生かも?

 「蝉しぐれ」という、やさしく風情のある言葉がありますが、
今年は「蝉嵐」と言った方が似合いそうです。


 一茶には「蝉」を詠んだ句が100句以上あります。

  


  じっとして見よ見よ蝉の生れ様     (『七番日記』)

 この蝉の抜け殻は「ニイニイセミ」で、
泥が付いて鋼鉄のように見えます。
 油蝉やクマゼミなどは茶色をしています。



  木の下や見るうち蝉と成て鳴     (『文政八年草稿』)



  今しがた此世に出し蝉の鳴   (『文化句帖』)


    


  なつかしやゆかしや蝉の捨衣     (『八番日記』)



  鳴ながら蝉の登るやぬり柱     (『八番日記』)

  

   鳴いているのは「オス」です。



  鳴蝉の朝からじいりじいり哉      (『七番日記』)

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  そよ風は蝉の声より起る哉    (『文政句帖』)

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 只今、睦中・・・ 



 夏の蝉恋する隙も鳴にけり     (『七番日記』)

 2週間しかない短い命を精一杯、生きました。


  ねがわくは念仏を鳴け夏の蝉   (『文政版』)



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 瓜形焼締花入 高さ:18cm
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