羽黒蜻蛉

  
  「嶮山中央橋」から見た黒須田川

 先日、黒須田川の遊歩道を歩いていると
やや薄暗い草陰で黒い蜻蛉が優雅に飛んでいました。
 名前が解らず調べると、名前は「ハグロトンボ(羽黒蜻蛉)」でした。
「カワトンボ」の仲間で、川岸など水生植物が生える場所に生息しています。
 体長は5〜7cmほどです。


留まっている時は、蝶のように翅を立てた状態で4枚の翅を重ねています。

  
  雄は、腹部が金属光沢のある緑色をしています。



飛ぶ時は、蝶のようにひらひらと舞うように羽ばたきます。


  
  雌の翅は、黒色より焦げ茶色に近い色をしています。


 黒い蜻蛉と言えば、西洋では悪魔的な存在ですが、
日本では、後退して飛ばない勇敢な姿から「勝ち虫」と言われ、
古来より家紋や兜などに用いられ、縁起の良い虫とされています。
(注)2007年放送の大河ドラマ風林火山」で、千葉真一さんが演じた
   板垣信方は、兜から装身具まで、すべてトンボづくめでした。

 また「ハグロトンボ」は、害虫を捕食するので水田耕作にとって
欠かすことのできない貴重な益虫とされています。
 地域によっては、黒い翅をはためかせて飛ぶ幽玄な姿から
「神様のトンボ」と呼ばれ、神様の使いだと言われています。 

「ハグロトンボ」とよく似た「アオハダトンボ」がいますが、
神奈川県では「アオハダトンボ」は「絶滅危惧種」となっています。
そして「ハグロトンボ」は「要注意種」です。

  この「ハグロトンボ」を見て気づいたことがあります。
 現在、放送されているNHK大河ドラマ西郷どん』のオープニング映像。
  1分30秒ほど過ぎた滝壺の映像に、蜻蛉が優雅に飛んでいます。

  詳しく確認することはできませんが、
 この蜻蛉は「アオハダトンボ」ではないだろうか?
 

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 まだ訪ねていませんが、「蜻蛉」を詠んだ句碑がありました。
     上水内郡信濃町・古間小学校(2016年から信濃小中学校)」

   遠山が目玉にうつるとんぼかな   一茶   (『八番日記』)


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