酸漿

 この黒い実は「アメリイヌホオズキ」と言い、路傍や荒れ地などで、よく見かけます。
 酸漿(鬼灯)という名がついていますが、実が赤くなる「ホオズキ」は、
ナス科のホオズキ属で、黒くなる「イヌホオズキ」は、ナス科のナス属で、種類が違います。
 この「イヌ」とは、「犬」のことではなく、酸漿に似ていますが、
熟すと赤くならないで黒くなるので、否定の「否」を意味しています。

  酸漿と言えば、夏の風物詩である浅草の「ほおずき市」が7月9日・10日に開かれ、
 夏の訪れを感じさせてくれます。
  私も子供のころ、赤くなった酸漿の実を柔らかく揉み解して
 中のタネを抜き、吹き鳴らして遊んだ記憶があります。



    鬼灯の口つきを姉が指南哉   一茶   (『八番日記』)




  面取コーヒーカップ