酒盃(7)辰砂盃

 

 辰砂は、古来「丹(に)」と呼ばれていました。中国の辰州(現在の湖南省近辺)で多く産出したことから「辰砂」と呼ばれるようになりました。古くは吉野川上流や伊勢国丹生(現在の三重県多気町)などが特産地として知られていました。
 陶芸では銅を含んだ釉薬を用いて還元焼成すると辰砂(朱色)となります。還元焼成では色むらなどが生じ易く難しい色です。今は酸化焼成でも再現できる釉薬があります。
     
 葉鶏頭は雁が飛来してくる秋になると、その葉が美しい紅色に染まるので「雁来紅」とも呼ばれます。古名では「かまつか」といいます。
  
  
  口径8.9cm・高さ8.0cm・高台径4.3cm・重さ160g