酒盃(6)皮鯨盃

 お酒の愛好家の間では、酒器は「備前の徳利」と「唐津のぐい飲み」が、垂涎の取り合わせだと言われています。皮鯨は口縁に黒い縁取りをあしらった唐津焼の装飾のひとつです。
 「酒仙の歌人」とも言われ、酒をこよなく愛した若山牧水が親しい友と飲んだ時に詠まれた句があります。
どんな盃で酌み交わしたのだろうか。

      友酔わず我また酔わずいとまなく
              さかずきかはしこころを温む
 ( 若山牧水 )