茶盌を選ぶ時には2つのタイプがあるようです。茶が立て易く、そして呑み易さを重視するタイプ。反対に自分の好みを重視して立て易さ、呑み易さを考えないタイプです。沓茶盌は後者になるのでしょう。「沓茶盌」と呼ばれるのは、形が神官の履く靴を連想させることから来ているそうです。
古田織部は利休からの「人と違うことをせよ」という教えにより、形の崩れた茶盌を作りました。この「破調の美(ゆがみの美)」は、外国人には理解が難しく、日本人独特の感性のようです。
「ゆがみ」は、世界に誇れる美意識であり、この美の源流は、縄文土器にまで帰るのではないかと思います。
ゆがんだ茶盌に、なんとも言えない趣を感じるのは、どうしてでしょうか。同じ形が2つとないこと・・・・・。
14.2cm・6.9cm・6.4cm・560g