備前の土

 先日、備前焼の作品展を見ました。精緻な細工物の中で、極くありふれた長方皿に惹きつけられました。
 土の「いのち」のようなものを強く感じ・・・以前に読んだ『世界でいちばん美しい物語』(筑摩書房1998年刊)という本を思い出しました。数人の科学者が宇宙の誕生から人類の未来までを語る壮大なドラマの話です。
 この長方皿には150億年を超えて続く原始の海の一部が閉じ込めれれているように思われます。
  この土(備前)は、これから、どんな世界が生まれてくるのだろう。
 
      
     裏側は緋襷になっています
      
     この作品を制作されたのは、山村富貴子さんです。
     展示作品のメインは、エジプト神話の最強の破壊の女神「セクメト」像です。
                    

    あの中へまろびて見たき青田かな  ( たつ )  俳諧撰集『玉藻集』)