耳付花入(7)掛分け

 初夏に垣根などに小さな白い花を咲かせる「卯の花」。
卯の花は、空木(うつぎ)の花の別称です。
卯の花と言えば、国宝・志野茶碗「卯花牆」が浮かびますが、唱歌「夏は来ぬ」の「卯の花の匂う垣根に・・」 この歌詞を、ご存じの人は多いでしょう。

 小林一茶には「卯の花」を詠んだ句が多くあります。

        卯の花にけ上げの泥も盛り哉
        卯の花にしめつぽくなる畳哉
        卯の花に布子の膝の光哉
        卯の花もほろり〜や蟇の塚
        卯の花や伏見へ通ふ犬の道
        卯の花や水の明りになく蛙
        卯の花や神と乞食の中に咲
        いかけしがル壷こぼすや花卯木
        淋しさに蠣殻ふみぬ花卯木
        僧入りぬ垣の卯花咲にけり
        ずつぷりと濡て卯の花月よ哉


高さ:17.8cm