茶盌の刷毛目

 刷毛目は陶器の表面を化粧する技法の1つで、朝鮮高麗末李朝初期に化粧土の不足から考案されました。塗布した跡が刷毛で描いたようで、筆の文化の趣を感じます。
 絵付けにはいつも緊張します。筆を持った時に躊躇していると「はしだてや海に一刷毛青嵐」という、誰かに教えられた句が浮かびました。作者は江戸時代の俳人渡邊雲裡かな。青嵐の気持ちで一気に描きました。好きな俳人波郷の句を添えてみました。
 

                       14.8cm・8.1cm・4.6cm・300g