蹲の壺

 蹲は、もともと種壷や油壷として使われた雑器を、茶人が花入に見立てたものです。名の由来は、人が膝をかかえて蹲まるような姿からきています。江戸時代に入ると、この呼称が定着しています。
「蹲」の特徴は、二重口と檜垣文です。檜垣文は室町時代の作品に多く見られます。
 「檜垣」は檜の薄い板で斜めに編んで張った垣根で、当時の人々にとっては、居住空間を外敵から守る神聖なお守り(魔除け)の意味もあったようです。それを壺の中のものを守るために、文様として彫り込んだのでしょう。

     

高さ:9.8cm



高さ:15.9cm