大壷

          陶窯の焚き終りたる天の川   (陶工の仕事より)

 私の好きな陶芸家・内島北朗の句です。

北朗の著作の中に『楽焼〜作り方・味わい方』(創元社・昭和33年7月15日刊)という入門書があります。
 この本は楽焼の製作方法のほかに、付録として随筆が載せられています。
その随筆「壷を愛する者」では、
  どこかで聞いた話として
     『人間はだれでも母の愛に飢えている者は壷を愛するという。
      母の愛に満腹している者は平面の皿を愛するという』
 と書かれています。
 北朗は4歳で母を亡くしたため、母への思いが強かったのでしょう。まるまるとした壷や徳利が好きだったようです。

  昨年、私も大きな壷を制作しました。