轆轤引き


   夏山やうちかたむひてろくろ引  ( 与謝蕪村 )  (『蕪村俳句集』岩波文庫

 轆轤がいつ発明されたかは、はっきりしておらず、紀元前6000年前から紀元前2400年の間に発明されたのではないかとされています。メソポタミア説が有力です。
 日本でも源流は定かではありませんが、正倉院文書の「造仏所作物帳」に「近江の轆轤工」とあるのを見れば天平時代に轆轤が行われていたことは確実のようです。
 轆轤の種類は、手轆轤、蹴轆轤、機械轆轤があります。回転方向は、日本古来からの産地は、ほとんどが時計回り(右回転)で、朝鮮半島から渡来した陶工によって始められた伊万里焼、萩焼なども時計回りです。一方、丹波立杭焼や九州の上野焼・小石原焼などは反時計回り(左回転)が用いられています。

   行く秋やひとり轆轤の幾廻り ( 田川鳳朗 )

        (注) 田川鳳朗(1762-1845)は、江戸時代の俳人