カワセミ春夏秋冬(22)

 奥に見える白い橋が「べにきり橋」です。この遊歩道は、バスの停留所が近くにあるので生活道として多くの人が利用しています。また私の散歩道で、よくカワセミつがいを見かける場所でもあります。

 堰の上にある「クサギ」は、カワセミの止まり木です。葉は紅葉し、ほとんど散っています。

 その葉の隙間からカワセミが2羽見えます。しかしいつもの雰囲気と少し違うようです。

 縄張り争いかな?

 ほとんど動く気配がありません。緊張感が漂っています。

 一匹が背筋を伸ばすと、もう一匹は低い姿勢で構えます。それを何回か続けています。

 一羽が川面の石に飛び移ると、もう一匹も追うように近くの石に飛び移ります。

 黒須田川決戦か!!

 向きを変えても威嚇の姿勢は変わらず。

 また場所を変えると同じ向きに並びました。知らない素振りをしているようですが、どこか緊張感が漂っています。

 一羽がしゃっくりのような動きをすると、もう一羽も同じようなしゃっくりをします。このようなしぐさが数回続きました。

 川の真ん中でカワセミが2羽いるのを見つけると、通りかかった人は、スマホで写真を撮り始めました。普通ならば人の気配がわかると逃げるカワセミですが、逃げる気配はなく、しゃっくりと低いを繰り返えす姿勢は変わりません。

 下流にいたのが背伸びを始めました。

 すると場所を変える。もう1羽も追うように動きます。

 バトル開始か・・ところが今度は堰に飛び移りました。逃げたのか・・すぐあとを追って堰へ。双方の威嚇姿勢は変わりません。

 カワセミの移動に合わせて観衆?も・・スマホを抱えて移動です。

 突然、激しい鳴き声とともにホバリングしながら空中バトルが始まりました。ほんの数秒だったので、残念ながら写真に収めることができませんでした。

 また元の堰に戻りました。

 その後も威嚇姿勢を続けていましたが、バトルに負けたのだろうか?急に一羽が下流の方向に飛び去りました。

 縄張りを勝ち取ったのは、元の縄張りの主だったのか?それとも侵入者だったのかはわかりません。私は、もとの縄張りの主が勝ったのではないかと思っています。

 10分ほどのバトルを終えても、まだ警戒をしているようです。

 その後、安心したのか、近くの枝に飛び移り獲物を狙い始めました。

 数分後、カルガモたちの傍で光るものが見えました。大きな餌を獲ったようです。

 カワセミの縄張り争いを、人通りの多い住宅街の中で見たのは初めてです。

 カワセミは美しく可愛い鳥ですが、一面激しい気性を持っています。縄張り争いで死ぬ場合もあるそうです。今回は、傷もなく死ぬこともなく終わったので安心しました。

 冬を迎えるこの時期は、鳥たちは生きていくために餌場の確保は生死に繋がります。

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