白化粧片口鉢

 
 日本において、注ぎ口のある器は縄文前期に出土しています。片口は、もともと酒や醤油を瓶などに移し変えるのに使われた台所用品でしたが、近年は料理を盛り付ける食卓の器として使われるようになってきています。また徳利の代わりの酒器や花器などにも使われています。

      北山やしざりしざりて残る雪 ( 炭太祇 )

           (注) 炭太祇(1709〜1771)は江戸時代中期の俳人    

 残雪と言えば川端茅舎の「一枚の餅の如くに雪残る」という名句があり、光悦の茶碗などにも付けられています。また傍題に「雪形」という季語があります。山の雪が解けて岩肌が描き出す模様のことで、かっては雪の解け具合を見て農作業の目安にしていたようです。

径15.5cm・高さ9.3cm・高台径6.1cm・重さ720g