縄文半筒茶盌

     
 縄文を施文する方法に縄を直接回転し押捺する方法と木や竹の軸棒に縄を巻きつけて回転施文する方法があります。この茶盌は前者の方法で施文しました。使用した撚り方は「合撚り(あいより)」という方法です。
 「合撚りとは撚り方向が異なる二本の縄の撚り合わせです。これを押捺すると線と点の列が表れます。合撚りを用いる習慣は、縄文文化の特有のものです」 
                           土屋健作「縄文原体を考える」より。  
 縄文人は縄の撚り方を、いろいろと工夫していたことが縄文土器から見ることができます。

 また日本には、この網目の美しさを活かした伝統工芸品があります。大津組紐や伊賀の組紐が有名です。組紐の起源は古く奈良時代以前に遡ると言われています。
 「縄文象嵌」を考案した人間国宝の島岡達三は、生家の組紐から体得した技を象嵌と組み合わせることで独自の世界を開きました。



     合撚り


口径9.7cm・高さ8.1cm・高台径5.6cm・重さ400g