黒須田川散歩(16)

 2~3日前の暑さは、どこえ・・今日は、一気に秋が来たような気温となりました。

 川辺のススキと芙蓉の花も、激しい変化に戸惑っているかも。「ヒメクロホウジャク」は、周りを気にせず飛びながら花の蜜を吸っています。

 まだ刈り取られずに残ったクズの葉にニホンカナヘビを見つけました。

 名前には「ヘビ」と付いていますが、日本固有のトカゲの一種です。尾が長いのが特徴です。

 一般に「トカゲ」と呼ばれているものです。

 6月頃は、幼体であったのが大きくなったのだろう。壁を登るのも得意です。

 ニホンカナヘビは、人が近づいても逃げる気配がありません。少し警戒心が低いようです。

 しかし人の気配を感じると、すぐに草叢に隠れるのが「ヒガシニホントカゲです。このトカゲも日本固有種です。

 幼体と成体では、体の色が異なっており、幼体の時は、尻尾が青くなっています。

 トカゲは「トカゲのしっぽ切り」という責任転嫁の表現に使われていますが、もともとは、自衛のために尻尾を「自切」して、天敵から身を護り逃げるためです。

 「炎天や切れても動く蜥蜴の尾」という芥川竜之介の句があります。切られた尻尾はすぐに死んでしまわないで、筋肉や刺激を伝える神経が、しばらくピクピクと動き生きています。

 その切られた尻尾について、室生犀星『動物詩集』(とかげ)の中で

 尾をきられたとかげが

 尾をさがしているまに

 尾はぴんぴん生きていて

 おとうさんをまつように

 ひまわりのかげにいた

 とかげは尾をつないで行った

 

 この詩には、命そのものに対しての温かい眼差しが感じられます。

 どんな下等な生き物も「いのち」を、大切にして護るために飛んだり、逃げたりするのです。

 6月初旬ごろの散歩中に、これは飛ぶというより飛ばしてしまう光景を見ました。大きなアオダイショウが2匹が近づいた、その瞬間・・

 弾くような大きな音がして、一匹のアオダイショウが数mほど飛ばされていました。

 アオダイショウは、攻撃的と言われますが・・それは生存競争かも?

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