お正月あそび

 松の内が明ける前に「武州柿生七福神」を参拝して来ました。「七福神めぐり」は、今年で19年連続になります。

 5度目の参詣になる「武州柿生七福神」は、川崎市麻生区細山を源流とする五反田川の周辺にあります。お寺の景色は変わりませんが、その周辺の木々や道路や建物、そして交通量などは大きく変わって来ました。時には迷うことがありますが、迷いながらも遠回りしたり、近道を探ったりと・・七福神めぐりの愉しみの一つとなっています。

 今年の近道しての出会いは・・

 五反田川に架かった小田急線の陸橋の下に、多くのサギダイサギが集まっていました。雑踏する駅の傍の川に十数匹もいるのに驚きました。アオサギもいます。この川はコンクリート護岸化されており、水は綺麗ですが、餌となる生き物はいるのだろうか。

 沢山のサギが集まって歩き廻ると、川の中の生き物たちが驚いて飛び出して来ます。それを狙っているようです。餌を探すのが難しい冬の都会の中で生きるサギ、いや鳥たちの知恵かも知れません。

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 「七福神めぐり」は、お正月の縁起の良い行事ですが、お正月の遊びにも縁起の良い遊びが沢山あります。「独楽回し」は、物事がうまく回る。「凧揚げ」は、男の子の成長を願う。「福笑い」は、笑う門には福が来る。「双六」は、新年の運試しなど、それぞれに縁起のいい意味が込められています。

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 私の住んでいる団地の掲示板に、こんな案内がありました。伝統的なお正月の遊びもその良さが広がっているのでしょうか。

 この木の実は「ムクロジ」の実です。近くの公園を散歩中に見つけました。

 漢字で「無患子」と書きます。子供が患わないという意味で、子供の健康を守る縁起のよい木とされています。

 切ると種子は堅く、この種子は羽根つきの羽根の玉に使用されています。

 この種子を使って、オリジナルな羽根を作るのもいいでしょう。

 ひィ ふウ みイ よオ

 いーつ むウ なーな やア

 ここのつ とお

 こんな数え方をして、羽根つきをした記憶があります。この羽根つきは、厄を跳ねて子供たちが健康に成長するように願った遊びです。顔に墨を塗るのは、魔除けのおまじないだとか。『わらべうた-日本の伝承童謡-』岩波文庫には「羽根つき唄」が沢山紹介されています。現代の新しいリズムによる羽根つき歌が生れて欲しいですね。

 また遊びと教養を兼ねた「かるた」も、お正月遊びの代表です。最も古典的なのは「いろはかるた」です。内容は「ことわざ」を使い、大きく分けると「江戸かるた」と「上方(京)かるた」があります。一部表現が変わって来ていますが、現代のスマホ世代にとっては「いろはかるた」は「ことわざかるた」に近いかもしれません。

 そして「〇〇かるた」という名が付いたかるたも沢山作られています。私の住んでいる横浜市でも10個以上の「郷土かるた」があります。その中には青葉区の「郷土カルタ」もありました。

 郷土カルタは、地域の歴史や文化を知るいい機会になります。地域によっては、学習を兼ねた「かるた大会」も行われているそうです。

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 私の好きなカルタは「切り絵かるた」です。

 柳沢京子さんの選句と切り絵による『一茶かるた』です。白と黒が織り成す絶妙なバランスから生れる世界が好きです。鳥を詠んだ絵を集めて見ました。

 「いろはかるた」の最後の「ん」「京」で終わっています。「京」になったには諸説あるようです。

 「いろはかるた」の「ん」は・・

 「青葉カルタ」の「ん」は・・

 「一茶かるた」の「ん」は・・

 最近の若い世代を含めた子供たちのお正月の遊びは、年々進歩して来ています。アニメや漫画のキャラクタを使ったカードやゲーム、そして電子機器によるゲームが中心となっています。「かるた」は、子供のものというイメージがありますが、大人の文化でもあるように思います。古い正月の伝統的な遊びが、現代の若者文化と融合されて行って欲しいと思います。

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