白素麺茸

 この新緑のケヤキと楓の並木道は、よく散歩するコース道です。日差しの強い真夏は、ケヤキが涼しい木陰を作ってくれます。この日は梅雨の真っ最中で曇っていました。右側の車道は、横浜市川崎市の境界です。

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 ケヤキとウバメカシの間の苔の中に、白いモヤシのようにニョロニョロと伸びたものを見つけました。

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 茸のようにも見える、こんな白いものを見るのは初めてです。

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 調べてみると「シロソウメンタケ(白素麺茸)」の種類でした。

 この白く細長い形をしている姿が、素麺に似ていることから名づけられたそうです。この時期に生える茸としては、夏向きの名前ですね。

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 しかし「シロソウメンタケ」は、ヒョロヒョロと長く伸びますが、枝分かれはしません。この茸は、枝分かれし、曲がったりしています。「シロソウメンタケモドキ」ではないかと思います。

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 茸の多くは傘や柄があるのですが、このような茸を見るのは初めてでした。

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 高さは7cmほどで無味無臭、食べることは出来ないそうです。

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 小林一茶は「茸」について65句(『一茶全集・第1巻』より)詠んでいます。

 うつくしや人とる木の子とはみへぬ

             『七番日記』

 この句は、毒茸を詠んだ句です。

 「シロソウメンタケモドキ」には毒はなく、人畜無害なので触っても大丈夫だそうです。しかし、この茸、触るのに躊躇するほどの柔らかく、そして神秘的な白さを感じました。

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