黒須田川の遊歩道の桜並木。
華やかで美しかった「ソメイヨシノ」。今は、瑞々しい青葉に変わっています。
若葉を眺めていると・・
年よらぬ心になりしわか葉哉
一茶『文化句帖』
念入て虫が丸しわか葉哉
一茶『七番日記』
若葉の中のカワセミ。
餌を狙う鋭い眼差しではない、愛くるしい仕草と表情が好きです。
昨年まで気が付かなかったですが、ソメイヨシノに赤い実がついていました。
実の数は少ないのですが、30本ある中で約1/3の木に実がなっていました。
ソメイヨシノは、実を付けないと聞いていましたので・・
実の大きさは約1cmほどで、毒性はなく食べられますが、酸っぱく、苦く、渋い味がするそうです。
一般に、食べる「さくらんぼ」とは、品種が違います。
実が付いたのは、近くの公園に山桜の老木が数本ありました。それによって受粉したのかもしれません。
日本の桜を分類すると数えきれないほど複雑に分類されるそうです。一般的に大きく分類すると、山野に自生する野生の「山桜」と品種改良された「里桜」に分けられます。「里桜」は人間が交配した品種の総称をいいます。
「ソメイヨシノ」は、江戸時代に、職人によって山桜の「オオシマザクラ」と「エドヒガンザクラ」を交配して作られました。里桜の代表ということになります。
里桜(ソメイヨシノ)は、山桜より寿命が短く、60~80年、長くても100年と言われています。また山桜ほど強くなく、病気にも侵されやすい品種です。手入れを怠ると次第に樹勢が衰えて来ますので、手入れや管理が大切だそうです。
この遊歩道のソメイヨシノは、樹皮のヒビ割れも気になります。まだコブのような症状は出ていないようです。枝の一部に出来た小さなコブは数年かけて大きくなり、コブから先の枝が枯死し、樹木全体に広がり樹勢が衰退していくそうです。
「ソメイヨシノ」という桜は、人間によく似た樹木なのですね。
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