1972年6月5日、ストックホルムで国連人間環境会議が開かれました。この日を記念して「環境の日」が制定されました。その目的は、環境保全に対する関心を高め、啓発活動を図るためです。
地球温暖化が叫ばれてから、久しくなりますが、最近は海洋汚染(プラスチックごみ)が大きな問題となり、生物たちが脅かされています。また新型コロナの影響で、家庭ごみが増えているそうです。
自然環境は、知らず知らずのうちに悪化しています。環境保全には、一人一人が、まず出来ることから始める必要があります。
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いつもの散歩道には、季節とともに美しい花が咲いています。
少し茂った草叢に群生していたり・・
この花は「ホタルブクロ(蛍袋)」といいます。
キキョウ科の多年草で、別名「釣鐘草」とも言います。
花の性質によって象徴的な意味を持たせる「花言葉」は、よく知られていますが、「誕生花」という言葉もあります。「誕生花」は、生れた月や日に因んだ花を指していいます。
今日「6月5日」は、私の誕生日です。
私の誕生日に割り当てられた花を「ウィキペディア」で調べると、誕生花は「ダリア」「マリーゴールド」「ホタルブクロ」だそうです。
この「ホタルブクロ」が、私の誕生花の一つであることを知りました。
どのような由来により誕生花の種類が決められたかについては、国や地域によって諸説あるようです。
その始まりは、ギリシャ・ローマの人々が「花や木に神秘的な力が秘められている」ことから発想されたともいわれています。
和名の「蛍袋」は、袋のような花に蛍を入れて遊んだからという説。
提灯の古名を「火垂(ほたる)」といい、その提灯に似ているので「ほたる」になったとか。
また地方によっていろいろと呼び名があり、「オイヨ」「あっぱちち(母の乳房)」「灯篭ばな」「狐の提灯」など、子供たちの占いや遊びにも使われるなど、生活に溶け込んだ草花であったようです。(『植物民俗』長澤武著・法政大学・2001年)より
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艸原や提灯行くに虫すだく
一茶『文政句帖』
関東では赤紫が、関西では白が多いそうです。
「ホタルブクロ」によく似た「ヤマホタルブクロ」があります。その違いは萼片の反り返りの有無で見分けることが出来ます。
昨今、野生種が激減しているそうです。この「ヤマホタルブクロ」は、京都RD(レッドデータブック)では、絶滅危惧種として分類されています。
私の好きな本の中に、野の花々を紹介した本があります。
『野の花三百六十五日』池沢明夫+池沢洋子著・文化出版局・1980/3/29刊です。
草花を誕生花として紹介されてはいませんが、短い文章と写真を中心に、日々の暮らしが写しとられています。
本の帯文から紹介させて頂くと
『野にある草木は、芽ぶきのとき、花のとき、立ち枯れのとき、三百六十五日の美しさをもつ』
池沢明夫さんは、広島で被爆を経験されています。奥さん(洋子)の活けた365日の草花の傍には、池沢さんの制作された柔和な顔の木仏が紹介されています。
草花たちを、日常使う器や花活けに活けることで、新しい美しさを見付けたり、花への思いが伝わる、温もりのある本です。
季節のめぐり逢いの大切さと小さな可憐な草花の環境を守るためにも・・
絶滅危惧種にさせないためにも・・
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やきもの作りには、自作の器や花入れに、どんな草花を活けようかと考える楽しみがあります。
昨年制作した小さな白磁の一輪挿に、庭の「ムラサキカタバミ」を活けました。
「ムラサキカタバミ」は、南アメリカ原産で、江戸時代に観賞用に栽培されました。
現在は、各地で野生化して嫌われものの雑草となっているのは残念です。
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