福詣

 先日「七福神めぐり」に行って来ました。
今年で15年目になります。

 今回は「隅田川七福神」です。
隅田川七福神は、江戸文化年間に
開闢され「七福神めぐり」の元祖とされています。
 正月の楽しみな行事の1つであったようです。

 天気は快晴、穏やかな日です。
まず東武線「東京スカイツリー駅」から
浅草駅方面に向かい、言問橋から歩き始めました


 橋の名は『伊勢物語』の中心人物である
在原業平の詠んだ歌の第九段「・・・いざ言問はん都鳥・・」
から名づけられました。

 最初に訪れたのは「三囲神社」です。
文和年間に創建された墨東の古刹で
ここには「恵比寿」「大黒天」が祀られています。

 目尻の下がった温和な表情の「コンコンさん」
この顔を見ていると癒されます。

 三囲神社から北へ約300mほど歩くと
弘福寺」です。
 延法2年、鉄牛和尚によって創建され
布袋尊」が祀られています。
 屋根の瓦に特徴がありました。

 古い鬼瓦などが、境内に並べてありました。

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 弘福寺の北側に隣接して「長命寺」が
あります。
 元和元年頃の創建とされており
この寺には琵琶湖竹生島の分身とされている
「弁財天」が祀られています。

境内からは「スカイツリー」が見えます。

 長命寺から隅田川に沿った広い墨堤通りを歩き
「百花園」に向かいました。
 途中、戎さんが乗った人力車に遇いました。

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 百花園は、今から約200年前に、風流人であった
佐原鞠塢(きくう)が墨東の地に開いた庶民的な庭園です。
 隅田の七福神詣での発祥の地でもあります。
ここには「福禄寿」が祀られています。

 ここから隅田川に向かって約200mほど歩くと
白髭神社」です。
 天歴5年に創建。「寿老人」が祀られています。
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東白髭公園の中央にある「纏い」イメージしたシンボルタワー

また、この公園は防災公園となっており
「鐘淵門」は高さが団地の4〜5階まで
届きそうな迫力のある扉です。

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 この多聞寺に向かう途中「木母寺(もくぼじ)」に
立ち寄りました。

 このお寺の名前は一茶の日記に良く出てくる場所で
多くの句を詠んでいます。
 広重の浮世絵、名所江戸百景「木母寺内川御前栽畑」
「木母寺雪見」などに描かれて場所で、訪ねてみたい場所でした。
 しかし、今は高層建築と高速道路に挟まれ、昔の面影はありませんでした。広い原っぱだけが残っていました。



 寺伝によれば、平安時代中期、貞元元年、忠円という
僧が、人買いにさらわれて、この地でなくなった
梅若丸を弔って梅若塚を作られました。
この伝説を元にして、能の隅田川を始め歌舞伎、
浄瑠璃、舞踊などの作品が生まれてきました。


榎本武揚像の傍にあった案内板の明治時代の木母寺が
ありました。


 本堂に掲げられていた表札。
いつの時代は分かりませんが、当時の面影が偲ばれます。

一茶の『花見の記』の中に

雉鳴くやかの梅若の涙雨  


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 榎本武揚銅像を見て、多聞寺「毘沙門天」に向かいました。
この寺は風流な茅葺の門がありました。


 山門は江戸時代中期に造られた墨田区内の
最古の建造物です。
 切妻造りの四脚門で、現在では珍しくなった
茅葺の屋根です。
墨田区指定有形文化財

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今回は、色紙には御朱印ではなくスタンプにしました。

歩き始めて4時間ほどで鐘ガ淵駅に着きました。

最後まで建物に隠れたり、出たりするスカイツリーを眺めながら歩きました。

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 長頸瓶             
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