東急田園都市線には「野」という名前の付いた駅が3つあります。
その一つ「あざみ野駅」は、私が日常よく利用する駅です。
あざみ野駅の名前の由来を調べると、昭和51年(1956年)地域開発のため3つの町が合併されて、新しい町名にする時、この周辺に多くのアザミの花が咲いており、地元の要望もあり、地名を「あざみ野」となったそうです。そして町名が駅名となり、昭和52年(1977年)に鉄道が開業しました。
現在、駅周辺は住宅街となり、アザミの花が見られることは少なくなっています。
写真の野薊の花は、家の近くの雑木林の中で咲いているのを撮りました。
撮影したのは10月下旬です。開花時期は5月~8月頃ですが、稀に10月頃まで咲いているそうです。
アザミは、花全体が女性の使用する眉刷毛に似ていることから「眉つくり・眉はき」という別名があります。
私の好きな本に、花の写真と言葉で構成された『花の指紋』(求龍堂・2005年10月刊)があります。
この本の著者は、作庭家でも知られている丸山健二氏です。
丸山健二氏は、安曇野にある自宅の庭で、毎日、花を眺め、手入れをしながら花々の写真を撮っているそうです。
花々の写真は「その花の絶頂期を逃がさず捉えたもの」で、そしてシャッターチャンスは、ほとんど数時間か、数瞬間でしかないそうです。
それは庭作りをしている者にしかわからないと書かれています。
この本は、神秘的な花の写真・・異なる視点からの独白・・慈愛に満ちた言葉が交差して語られています。そして一つ一つの花の写真は、太陽のあたる角度と陰影によって、花々の生命の絶頂を迎えた姿を捉えられています。その透明感のある映像は見る人を惹きつけて放さない。
私も路傍の草花を撮影していますが、その可憐な花の命の輝きを、どれほど捉えているのだろうか。
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花咲くや今十八の鬼薊
一茶 『七番日記』
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フリーカップ
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