ISSA

f:id:kanamankun:20190919205549j:plain

 先日、行きつけの古書店でこんな本を見つけました。

  『ISSA』 

  1981年12月発行となっていますが、市販品ではないようです。 しかし装丁はしっかりとしています。

 f:id:kanamankun:20190919205640j:plain

 内容は

 『Leidenden Mitmenschen

       im Geiste von Issa

 序文、エッセイ、そして一茶の俳句を、いろは順に48句を紹介しています。俳句は、日本語とローマ字で書かれ、合わせて柳沢京子さんの切り絵が載っています。

 本への参加者は42名のようで、ドイツ語への翻訳は、一句を4名が書いています。

  最後の「ん」には、

 団栗の寝ん寝んころりころり哉

           『八番日記』

が選べれています。

 また付録として一茶の文献を日本語で記載、古い時代のものもあり、参考になりそうです。

   * 

 本の奥付けには

「本書はドイツ語学振興会より第13回刊行助成(昭和56年度)を受けたものである」と日本語で書かれていました。  

 ドイツ語学文学振興会のホームページによると「刊行助成」とは

「・・学術的価値は高いが市販性に欠ける刊行に対する助成」

と書かれています。 

 一茶の海外での評価は、いろいろありますが、一茶ファンにとって、このような研究本が作られていたこと、また俳句を外国語に翻訳、研究されていることは大変に嬉しいことです。

 一茶の句をドイツ語で味わうことも、新しい一茶の魅力を引き出すことになればと思います。

   *

 f:id:kanamankun:20190923165527j:plain

     *

     *