納涼

 今しがた此世に出し蝉の鳴

          一茶 『文化句帖』

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 苔の付いた木のどこかに蝉が隠れています。

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 隠れていたのは「ニイニイゼミ」です。

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 「ニイニイゼミ」の色は、保護色となっているので見つけるのは難しい。

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 「夏(暑さ)を感じる時」は?

と質問すると、多くの人は「蝉が鳴き出した時」と答えるそうです。

 その主役は、あの「ジジジジジ~」と鳴く「アブラゼミ」 です。

 名前の由来は、諸説ありますが、鳴き方が油で揚げているような音がするからだと言われています。

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 犬も暑く感じるのか・・

  むく犬や蝉鳴く方へ口を明

          一茶 『七番日記』

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 1ケ月遅れの梅雨が明けて、猛暑の日が続いています。

 「納涼(涼しさ)」を求める方法にはいろいろありますが、今は、エアコンに頼る人が多いと思います。また「ひんやりグッツ」など使い、省エネや体調を考えて暑さを凌ぐ人もいます。

  しかしエアコンのない時は、団扇、風鈴、打ち水したり、葭簀で日差しを遮ったり、目で見る涼として金魚を飼ったり、氷菓子などを食べる涼、衣服(浴衣)による涼など、五感をうまく使って涼を取る工夫をしています。

 アウトドアでは、縁涼み・橋涼み・土手涼み・磯涼み・納涼舟・川涼み、滝浴みなど古くからの涼み方があります。

 その中の1つに「盆踊り」があります。

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 先週の土曜、日曜に町内会の納涼「ふるさと盆踊り」大会がありました。

 盆踊りは、盆の時期に死者を供養するための行事です。

 しかし、今はその意味も薄れていますが、都会人にとっては、納涼を兼ねた交流の場としても大切で、最近は参加者も多くなっているようです。

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 大空の見事に暮る暑哉

          一茶 『七番日記』

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 おもしろう汗のながるゝ浴衣哉

         一茶 『発句鈔追加』

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 おどり子と見しは大かた白髪哉 

          一茶 『文政句帖』

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 手を叩て親の教るをどり哉  

          一茶 『寛政句帖』

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 踊る夜にかくれし松も老にけり 

          一茶 『文化句帖』

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 今夜も熱帯夜、冷たいビールで・・・

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フリーカップ

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