蛙始鳴

 5月6日は「立夏」です。

 二十四節気・七十二候の初候では「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」の時季と言われています。

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 工房の近くの田圃には、水が取り入れ始め、蛙の鳴き声がだんだんと賑やかになって来ました。

 蛙は、人間の身近に棲息している生き物で、古来からその鳴き声は愛でられ、詩歌などでも詠まれて来ました。 

 芭蕉の『古池や蛙飛び込む水の音』や一茶の『痩蛙まけるな一茶是にあり』は、良く知られています。

  特に一茶は「かわず(蛙)」の句をたくさん詠んでいます。

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 愛嬌のある、可愛らしい「雨蛙」たちのしぐさを眺めると・・・

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 掌に居りさうなり蛙哉 

         一茶(『七番日記』)

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 葉隠の椿見つめてなく蛙 

          一茶(『文化句帖』)

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 のの様に尻つんむけて鳴蛙 

           一茶(『七番日記』)

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 小便をしながらもなく蛙 

          一茶(『七番日記』)

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 向合て何やら弁をふる蛙 

         一茶(『文政句帖』)

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  逃しなに何をぶつくさ夕蛙 

           一茶(『七番日記』)

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  どっさりと居り込だる蛙哉

          一茶(『文政句帖』)

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  草の葉にかくれんぼする蛙哉

         一茶(『七番日記』
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瓢形耳付一輪挿  高さ:13.5cm

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