やきもの展(2)

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 4月になって、暑くなったり寒くなったり・・・九段下から「北の丸公園」を訪れた日はお堀の桜は散り始め、お花見には遅かったようです。

 桜は散りつつありましたが、新緑が眩しいほど美しく輝いていました。

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 東京国立近代美術館工芸館の『The備前Bizen』展を観て来ました。

 「備前焼」も横文字で紹介されるほど、人気があるようで外国人も多く訪れていました。

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 桃山時代から現代の備前焼までを、3つの章に分けて紹介されていました。

 古備前の名品から近代の人間国宝の作品、そして新らたに備前焼を生み出そうと独自の素材とユニークな造形で果敢に追求する多彩な作品が展示されていました。

 備前焼で私が好きな作家は、金重素山で9点ほど展示されていました。

 素山は、桃山期の「緋襷」を完成させ、高く評価されている名工で、緋襷とおおらかな形が好きです。

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  この写真は、22年前(1997年)に牛窓町の森陶岳さんの工房を訪れた時に撮影した築窯中の大窯です。

 この展覧会でも、1970年に制作された「砂壷」を見ることが出来ました。備前特有の土味が醸し出され、力強い中にも優しさが表現されています。

 今回、特に惹きつけられたのは、隠崎隆一さんの「混淆」と名の付いた作品です。

 原土の持つ土味を、そのまま残して成形されているので、新しい造形が生まれ、今までにない備前焼の魅力を感じました。

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 原土には砂、石などいろいろなものな不純物が含まれています。特に可塑性が強くないと成形にするのは難しいですが、いろいろな石や砂が含まれているので変化に富んだ土味が生まれます。

 私も工房の近くで採集した原土がたくさんあり、その土も持つ味わいが表現できればと思います。

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 私が採集した原土で、玉石混淆の状態です。

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 見た目の色で大きく分けると4種類になりました。

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 成形し易い土(特に鉄分の多い土)を水簸せずに成形し焼成しました。

 化粧土を施しましたが相性が悪かったようで、剥がれてしまいました。また耐火性が弱く、全体にひび割れが入りました。

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高さ:17.0cm

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土焼の姉様うれし春の雨

         一茶(『文化六年句日記』

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 茶碗には、白化粧して釉薬(透明釉)を掛け、焼成温度を調整してました。

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口径:13.8cm・高さ:7.8cm・高台径:4.7cm

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