登り窯まつり(3)

 笠間の森も やっと暖かくなり、鶯の鳴き声が聞こえて来るようになりました。

  桜の蕾も膨らんでいます。

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 先日、行われた「登り窯まつり」の窯出しに行って来ました。

 閉じた焚き口を開く時は、いつも緊張するものですが、今回は、もう窯は開かれていました。

 一番手前の焚口の「胴木間」には、瓢型の花入れが2つ入っています。

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 慎重に窯から作品が出されます。

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 「胴木間」の手前の右側に1つ転がしたのが、私の作品です。

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  目土が作品にがっちりと付いていました。木灰が多く被りました。

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 「胴木間」左側の作品は大丈夫のようです。

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 「捨て間」にも瓢型の花入れを2つ入れました。

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 一つは倒れましたが、他の作品には接触していないようです。

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「1の間」

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「2の間」

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「3の間」

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 焼き上がりは順調だったようです。

 窯から出された作品が並べられると、自作の作品の写真撮影と出来栄えに話が弾みます。

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 話題となったのは、今年の干支である猪などの動物の作品です。

 生き生きとした躍動感と生命力を感じさせる作品です。

 繊細でリアルな表現と張り付けたひび割れた土の持つ質感は迫力があります。

 「猪」の作者は、茨城県出身の宮本果林さん。

 宮本果林さんは、2019年・第25回 日本陶芸展に入選された実力のある若手の女性陶芸家です。

 写真の中央の女性が、宮本果林さんです。

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 現在、宮本さんは、150kgの粘土を使った大きな動物(猪)を制作中とのこと。また4月13日から、初の作陶展が開かれるそうです。

どんな作品となるのか楽しみです。

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 「イノシシ」といえば、昨今、農作物の被害や人家にまで現れるなど話題となっていますが、「イノシシ」と人間とは、縄文時代から深い関係があります。

 昨年の『JOMON』展でも、縄文時代後期の猪形土製品弘前市立博物館)が展示されていたのを記憶しています。

 縄文人が「イノシシ」の土製品を作ったのは、狩猟の儀式に使われたようです。

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猪追ふや

   すすきを走る

        夜の声  一茶

               (『寛政句帖』)

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