春を告げる花と言われる「福寿草」です。
散歩中に草叢で見つけました。(写真は2週間ほど前に撮影しました)
野生の福寿草ではないようで、誰かが持ち込み植えたのかもしれません。
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福寿草は、古くから親しまれてきた園芸種で「古典園芸植物」と言われています。江戸時代より多数の園芸品種が作られ、現在、4種類と言われていますが、当時は200種類ほどあったそうです。
園芸書は、天和元年(1681年)に日本最古の『花壇綱目』が発行されています。
文政10年(1827年)には、江戸時代の独創的な奇品園芸種を描いた『草木奇品家雅見(そうもくきひんかがみ)』が発行され、福寿草も描かれており、当時は珍しい花として観賞されていたようです。
江戸時代は、園芸が盛んで多くの園芸書(図鑑など)や栽培手引きなどの園芸雑誌も多く発行されています。
園芸文化が花開いた江戸時代、庶民にとっては園芸書や図鑑は興味のある書物だったのでしょう。
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一茶も園芸の趣味があり、園芸についての句も詠んでいます。実際に植木の手入れもしていたのでしょう。
一茶は、こんなところに「福寿草」を飾り、観賞していたのだろうか?
帳箱の
上に咲けり
福寿草 一茶(『文政句帖』)
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現代も園芸に関する本や雑誌は、沢山発行されています。
私が園芸の知識を得ているのは、新聞社購読サービスとして発行されている小冊子『マイガーデニング』という「フリーペーパー」です。
「フリーペーパー」とは、読者に無料で配布される定期刊行物で、製本されていないものをフリーペーパー、雑誌のように製本されたものをフリーマガジンと言われています。地域密着の情報が多く、内容も多彩、豊富で活用されている人も多いと思います。
この『マイガーデニング』は、16ページほどの薄い冊子ですが、ガーデニングの知識から、そのノウハウまでプロの技を細かくを教えてくれます。
そして旬の野菜の家庭での作り方、その料理まで紹介されています。
「広告」が載っていないのがいいですね。
『マイガーデニング』2019年3月号より引用
記事の中で、特に関心があるのは「レッドリストの植物たち」で、絶滅危惧植物の紹介です。知られないまま消えていく植物の多いことに驚きました。
福寿草は、環境省のレッドリストには絶滅危惧種の指定はありませんが、野生の福寿草は、一部の都道府県で絶滅危惧種に指定されています。
もう終わりましたが、佐久間美智子(ファイバーアーティスト)さんのエッセイは、大変楽しく読みました。
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これまで私たちはテレビ、ラジオ、書物(新聞含む)などのメディアで、いろいろな情報を得て来ました。今はインターネット(スマホ)の時代ですが、 身近な場所にある無料の小冊子からでも多くの情報が得られます。
フリーペーパーは、種類、内容、地域版などいろいろなペーパーが発行されています。このフリーペーパーを、うまく活用していきたいと思います。
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福寿草用の小さい鉢を作って見ました。
地元の土にガラス片を埋め込んで焼成しました。
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