黒須田川を、気持ちよく飛んでいる小鷺。
山口誓子に、こんな句があります。
美しき距離
白鷺が
蝶に見ゆ(昭和36年作)
白い蝶が飛んでいるように見えます。
「鷺」は、日本に19種生息しています。
その中の「コサギ」は、留鳥で全長約61cmほどです。そして季節(夏と冬)によって少し変わります。
黒い嘴は変わりませんが、夏は冠羽があり、目の先が赤くなります。
冬は冠羽がなくなり、目の先の赤みもなくなります。
頭の後ろに2本の「冠羽」が見えます。
まだ夏の姿が残っているのでしょうか。
「冠羽」とは、頭の周囲より長い羽毛をいいます。
その役目は上下させて仲間とのコミュニケーションするほか、敵に対して威嚇したり、防御の手段として使われます。
川面の風を受けて毛が逆立っています。
「足の指の黄色い」のも、コサギの特徴で、他の鷺では見られません。
目の先の赤味はなくなっています。冬のコサギの姿です。
川の中の獲物を狙う鋭い目・・。
色どりが少ない冬の川面には、この白さが耀き、美しい!
この白さは、冷たさというより、柔かさと温もりを感じさせてくれます。
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一茶は、白い色を見ると「ぞっとする」という句を詠んでいます。
しなのじや
そばの白さも
ぞっとする(『七番日記』)
一茶は、蕎麦の白い花を見ると、雪の多い故郷を思い出すからだという。
でも、この美しい鷺の白さを、どう感じたのだろうか。
白鷺ではありませんが、鷺を詠んだ句では
青鷺を連にもせぬか羽抜鳥
(『文政句帖』)
この句の季語は「羽抜鳥」でしょうか。
また、こんな句もありました。
鷺烏雀が水もぬるみけり
(『発句題叢』文政3年)
この句の季語は「水温む」です。
烏と鷺と言えば、「烏鷺(うろ)の争い」という故事があり、室町時代の御伽草子の「鴉鷺物語」は良く知られています。
また白と黒ということで「烏鷺の戦い」は「囲碁を打つ」ことを意味しています。
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白磁瓶 高さ:19.2cm
これまで、ほとんど白いやきものを制作して来ませんでした。
この白磁の瓶は、昨年12月に制作した作品です。
素地は、半磁器に信楽の粘土を少しブレンドして、やや温かみのある白に挑戦しました。
白色は、色の種類の一つですが、無彩色のために「形」が大事です。
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