やっと涼しくなり、夜に蛾が飛んで来なくなりました。
「蛾」というと「気持ちが悪い」「模様が怖い」「何となく汚い」
「鱗粉は人体に悪い?」など、あまりいいイメージがないようです。
この夏、工房に飛んで来たり、散歩中に見つけた蛾たちです。
ウラナミシジミ
日本では「鱗翅目(りんしもく)」の昆虫は、3500種類知られていますが、
「蝶」と呼ばれるものは、250種類で他は、すべて「蛾」と呼ばれています。
(注)「鱗翅目」とは、成虫の翅に鱗粉を持ち、拡大すると魚の鱗に似た形をしていることから名づけられた。
「蛾」と「蝶」の違いについては、同じ「鱗翅目」であり、
はっきり区別できないそうです。
例外はありますが、一般的に、その違いは
蝶は美しいが、蛾は地味。
蝶は昼間飛ぶが、蛾は夜飛ぶ。
蝶は翅を立てて止まるが、蛾は翅を広げて止まる。
蝶の触角はこん棒状、蛾は櫛状、または尖っている。
蛾は胴が太く、鱗粉が剥げやすいなどなど
様々なことが言われますが、分類学上で、どの「科」に属するか
(例えばアゲハチョウ上科・セセリチョウ上科など)で分けられています。
多くの蛾は、地味な色で気持ちの悪いような模様をしていますが、
それは周囲の環境に溶け込むためのカモフラージュであり、捕食者などから
身を守るための警戒色や威嚇の役割をしています。
また鱗粉の人体への影響については、特殊な蛾を除いて害はないそうです。
鱗粉は、翅に模様をつける(模様で敵を威嚇したり、雄が雌を引き寄せたり)
翅に撥水性を持たせる。翅に香りをつける(雄のみに発香性をもっている種がいる)
体温を調節するなどの役割があります。
私が撮影した種類だけで、蛾の魅力を言うのは難しいですが、
「蛾」には、蝶とは違った美しさ、妖しさ、模様の繊細さなどが
あるように思います。
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又来たぞ手の盃を火とり虫 一茶 (『文政句帖』)
江戸時代は「蛾」という季語はなく「夏の虫」や「火とり虫」で詠まれていました。
一茶は「火とり虫」で18句詠んでいます(『一茶全集』信濃毎日新聞社)
詳しことは分かりませんが、「蛾」を季語として使い始めたのは、
大正の頃だと言われています。
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ぐい飲み(朝鮮唐津面取)
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